児童手当がもらえなくなる?【特例給付・所得上限限度額】②

子育て関連情報

 10月は児童手当の支給月です。令和4年6月~9月分の児童手当が、そろそろ受給者の方の口座に振り込まれる頃だと思います。
 これまでは、お子さんを養育されているすべての家庭で、児童手当または特例給付の振り込みがありました。しかし、2022年10月より、児童手当も特例給付も振り込みがない、「児童を育てているのに児童手当がもらえない」場合が生じることとなりました。

madoca
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これは、「所得が高い人」だけの問題ではありません。「明日は我が身」ですよ!

児童手当ができた経緯~年少扶養の廃止~

今の人たちは、手当がもらえていいなぁ。自分たちの頃はそんなものなかったのに・・・

ずるいなぁ・・・

madoca
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「今の人」たちは、「年少扶養」の代わりに、手当の支給を受けているだけなんですよー!!

 扶養親族がいる場合、扶養親族の人数に応じて、算定基礎となる所得から控除を受けることができます。平成22年までは、15歳までの子どもについても、扶養控除(年少扶養)を受けることができていました。
 しかし、「控除から手当へ」等の観点から、年少扶養は廃止されその代替として、「児童手当(当時は子ども手当という名称)」が支給されることとなりました

参考①:財務省HP https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/047a.htm

参考②:厚労省が出している子ども手当Q&A

https://www.mhlw.go.jp/seisaku/kaigi/2010/04/dl/k0406-1j_2.pdf
※当時は「子ども手当」で所得制限はありませんでした。「児童手当」とは異なっています。

 上記の厚労省のページを読むと、「子ども手当」時代は、所得制限は設けないこと、諸外国の制度としても所得制限は設けないことが一般的であることが説明されていますが…なぜ現在では、所得制限どころか所得上限まで設け、「児童手当を受給できない人」を生み出したのでしょうか?

「所得上限」で削減された予算の行方

 特例給付廃止に関して、令和4年10月5日、代表質問に対する岸田首相の答弁の中で、
子育て支援全体のバランスと、ニーズを踏まえた中での対応である
児童手当は9割の家庭に支給しており、中間層に行き渡っている
との発言があったようです。

 「9割」とありますが、児童手当制度を設計する際、所得制限限度額(モデルケースでは4人家族で世帯主の年収960万円)は、年収がそれ以上である世帯が全体の約1割であるように作られているようです。(参考資料として、この下に出てくる内閣府HP「子ども・子育て会議」の中にある収入分布図を見ていただけると良いかと思います)

madoca
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全体の上位1割の収入があるから、児童手当じゃなくて「特例給付」で5,000円ね!という謎の線引きだけでも納得がいかないのですが…

 これまで上位1割の方々は、年少扶養の代わりである手当をなぜか満額もらえなかったのですが、2022年10月支給分からは、「所得上限」を上回った場合、特例給付もありません、となったわけです。

 なぜ高所得者の特例給付を廃止するかの理由は、内閣府のHP「子ども・子育て会議」の資料の中でこじつけられています。おそらく、高所得世帯は、他と比べてすでに金融資産を多く持っていることや、他と比べて教養・娯楽費に費やす割合が高いから、手当を支給する必要性は低いであろうという方向性に持っていったのだろうと思います。
※この中にあります→https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_55/index.html
「控除から手当へ」の観点はどこへ行った?

 では、所得上限超過により特例給付廃止としたことで浮いた財源は何に使われるかご存じですか?
→「待機児童問題の解消」のために使われるそうです!

参考:厚労省HP「全世代型社会保障改革」について(パワポスライドの真ん中あたりに書いてあります)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21482.html

 なぜ子育て支援に関する施策の中で、予算のやりくりをしようと思ったのでしょうか・・・?幼保無償化にするときに、財源のことを考えなかったのかな?
 国の偉い方は、納得のいく説明をされていますでしょうか。ご存じの方は教えていただきたいです。
 私は理解度が低いのか、分かりません・・・。

分断を生む所得制限、今後は「夫婦合算」へ?

以降は、次回「児童手当がもらえなくなる?【特例給付・所得上限限度額】③」に続きたいと思います。
 次回の話題は、
・子育て世代同士の分断を生む所得制限
・今後、児童手当の審査は「夫婦合算」での所得になる?!

・「子育て支援」とは何か
について、書きたいと思います。

madoca
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まとまらない上、参考資料として政府HPへのリンクが多く申し訳ないですが、大事なことは国がそっと発信していますので、敏感に目を通されておいた方がよいかと思います。
次は「世帯合算」の所得になることを匂わされていますよ~。

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